株式会社BANDAI SPIRITS
2021 年 9 月 15 日
株式会社BANDAI SPIRITS(代表取締役社長:宇田川南欧、本社:東京都港区)は、ガンプラ(「ガンダムシリーズ」のプラモデル)を題材に小学校の高学年を対象とした教材“プラモデル授業『ガンプラアカデミア』”を開発しました。
本教材に付属する学習指導要領に紐付いた指導案(教員向け資料)は、NHKエデュケーショナルとNPO法人企業教育研究会にご協力いただき制作。プラモデルの組み立て体験と配信映像を組み合わせ、“ものづくり”の楽しさと、ガンプラの生産過程やプラスチックのリサイクルなど地球環境問題に対応する“サステナブル”の取り組みを学んでいただける無償の授業パッケージとして、全国の小学校約2万校に向けて9月27日(月)より順次案内を開始、10月より実施を開始します。
バンダイナムコグループは、「ガンダム」を活用したサステナブルプロジェクト「GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION(GUDA)」を立ち上げ、世界中のファンのみなさまや外部パートナーのみなさまと手を組み、未来の子どもたちのためにさまざまなアクションを企画・実行しています。本企画は、その中の教育分野における取り組みである「ガンダムエデュケーショナルプログラム」の一環として、プラモデルを組み立てる体験と、BANDAI SPIRITSのプラモデルを生産する工場「バンダイホビーセンター(以下 BHC)」の紹介を通して、工業分野の優れた技術や持続可能なものづくりのための工夫への関心を高め、子供たちの更なる探究活動につなげたいと考えています。
プラモデル授業『ガンプラアカデミア』学習内容
学習の目標
①プラモデルを題材に、工場における生産工程や、優れた最新技術の発展を理解する。
②プラモデルの生産に関わる人々の努力や、仕事に対する意識を理解する。
③優れたものづくりの技術を未来に持続させていく上での課題やその解決策について自分なりの考えを持てるようにする。
対 象:文部科学省が定めた小学校(※)の5年生(4年生や6年生でも実施可能)
教 科:社会:我が国の工業生産(5年生)、総合的な学習の時間/特別活動、SDGsの学習として
教 材:学習指導案、動画視聴用ID、組立体験用プラモデルなど(全て無償)
時間数:事前学習(45分×2コマ)、本時(45分×1コマ)、発展学習(45分×1コマ〜)
- ※文部科学省が定めた学校とは、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、特別支援学校および幼稚園のほか、専修学校、各種学校、保育所、学童保育などが含まれる中で、本授業は小学校を対象としています。
組み立て体験
(イメージ)
授業風景
(イメージ)
プラモデル授業『ガンプラアカデミア』パッケージ内容
事前学習(45分×2コマ)
〇プラモデルの組み立てを体験する
実際にプラモデルを組み立てることで、組み立てやすさや安全のために製品に込められた工夫に意識を向ける。
プラモデルの組み立て体験用キット
©創通・サンライズ
授業で使用するプラモデル体験用キットについて
- ・名称:ガンプラトライアルキット RX-78-2 ガンダム
- ・パーツ数:51パーツ
- ・小学生の手にしっかり収まる全高約100mmのサイズ(ノンスケール)
- ・学校の机の上でも場所をとらない4色イロプラのランナー1枚構成
- ・シールを使わないカラー再現
- ・全身28か所の可動個所で幅広いポージングが可能
- ・組み立てには、ニッパーなどの工具や接着剤は不要
〇プラモデル工場の仕事内容を事前に予想し工場見学動画を見る視点を定める
プラモデルの生産工程や生産の仕事についてどのような人や技術が関わっているか予想を立て、この後に視聴するプラモデル工場の見学動画をどのような視点で視聴するかを定める。
本時(45分×1コマ)
〇プラモデルを生産する工場「BHC」の見学動画を配信映像で視聴
「~プラモデルのできるまで~」映像を見ることで、BHCで生産するプラモデルを題材に、企画から設計・金型・生産までの工程と技術の発展、使われるプラスチックのリサイクルなど地球環境を考えるサステナブル活動への取り組みなど、プラモデル生産に向き合う仕事の努力や工夫を学ぶ。
プラモデルのできるまで映像(約15分)
〇持続可能なものづくりを可能にする技術を知る
過去と現在の技術を比較し、優れた最新技術が持続可能なものづくりを実現していることを、ワークシートに記入した内容を元に、話し合いながら学ぶ。
発展学習(45分×1コマ〜)
〇ここまでの学びをふまえて探求的な学習へと発展させ、優れたものづくりの技術を未来に持続させていく上での課題やその解決策について、自分なりの考えを持つ。
例)自分の住む地域のものづくりの発達や工夫、持続可能性を高める取り組みなどを考える。
ライブ通信(オプション)
〇授業中オンラインで教室とBHCをつなぎ、生徒がBHCの従業員に直接質問をする。
Zoomを使用した双方向のライブ配信(約10分)にて、リアルタイムで質疑応答などを行います。
※オプションでの開催となります。開催日時によりお受けできない場合もございます。
本授業パッケージの申込方法について
プラモデル授業『ガンプラアカデミア』企画の背景
「ガンプラ」をはじめとしたBANDAI SPIRITSのプラモデルを生産するBHC(静岡県静岡市)では、2006年に稼働を始めてから工場見学を休止する2019年までに約40,000人の見学者を受け入れてきました。その中でも学校見学は、総合学習などで、延べ400校、約12,000人の皆さまに見学いただきました。特に小・中学校の学校見学については地元静岡県内をはじめ、全国からも多くお越しいただきましたが、遠方の学校は距離的な問題や日程・人数の都合などでお受けすることができないケースも多くありました。そこで、移動を必要としない見学方法として学校で行うオンライン授業にて、BHCで生産するプラモデルを題材に、企画から設計・金型・生産までの工程や最新技術のほか、実際にプラモデルの組み立てを体験することでの“ものづくり”の楽しさ、プラスチック代替素材の開発や廃材のリサイクルなど、地球環境を考えるサステナブル活動の取り組みを学んでいただきたいと2020年に本企画をスタートしました。
その後、2021年2月よりテスト展開を行い、同年10月より全国の小学校で本格展開となります。
「バンダイホビーセンター」での環境負荷軽減への取り組み-持続可能な次世代素材の開発-
BHCでは、2010年に強度や耐久性に優れたプラスチックの新素材 KPS(強化[Kyouka]ポリスチレン[PS])を開発。KPSはプラモデル製品などに使用しており、強度と柔軟性を両立するとともに、塗装やリサイクルにも対応しています。KPSが開発される前は、端材のABS樹脂は産業廃棄物として分別して処理していましたが、ABSに置き換わるKPS材を使用した製品は、ほかのPS材と一緒にリサイクル可能となっています。リサイクルされたプラスチック製のプラモデルは「エコプラ」として、直営店「THE GUNDAM BASE」で販売しています。また、2021年4月よりファンとともに世界初のケミカルリサイクルによるプラモデルの循環スキーム確立をめざす「ガンプラリサイクルプロジェクト」(https://www.bandaispirits.co.jp/hobbycenter/recycleproject.html)をバンダイナムコグループ4社共同プロジェクトとしてスタートしています。
バンダイホビーセンター
BANDAI SPIRITSでは、今後もLIMEXやKPS素材など、従来のプラスチックに代わる次世代素材の継続した導入やガンプラリサイクルプロジェクトなど、ランナーを回収しマテリアルリサイクル・サーマルリサイクルによる再活用やケミカルリサイクルの実現に向けた実証実験・再生システムの拡大などに取り組むことで環境負荷軽減を目指していきます。
【PDFファイル】
(1448KB; PDFファイル)