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BANDAI SPIRITS
STORY
景品の常識を塗り替えた、 「ワールドコレクタブルフィギュア」
2025年2月3日
キャラクターの世界観を一望できる、手のひらサイズのデフォルメフィギュアシリーズ「ワールドコレクタブルフィギュア(通称:ワーコレ)」。クレーンゲーム機などで獲得できるアミューズメント景品として、15年以上愛され続けています。
「ワーコレ」の特徴は、幅広いキャラクターをフィギュア化する商品展開の豊富さと、デフォルメされたフィギュアでありながらも情報量が多く詰め込まれた繊細な造形です。「ワーコレ」には、どのような開発の意図が込められているのか、企画・開発メンバーの想いをみなさんにお伝えします。
プライズ事業部 阪田 典彦 (左)/ 佐瀬 真理 (右)
アミューズメント景品は「ついで」。そんな常識を変えたかった
「ワールドコレクタブルフィギュア」は、アミューズメント景品として2009年に誕生したデフォルメフィギュアシリーズです。
当時は、アミューズメント景品はあくまでほかのゲーム筐体で遊ぶ“ついで”で、景品自体を目当てにアミューズメント施設を訪れるお客さまは少ないと言われていました。またそのためシリーズ化して売れるフィギュアはアミューズメント業界では難しいと思われていました。そんな固定観念を何とか覆せないか?と考えたのが、「ワーコレ」誕生のきっかけです。
検討を重ねた結果、つい集めたくなる「手のひらサイズの宝物」としてデフォルメフィギュアシリーズを立ち上げました。初期にリリースした『ドラゴンボール』で空前のヒット作が生まれ、現在は『ONE PIECE』シリーズをはじめとし、『なかやまきんに君』『志村けん』『RIZIN FIGHTING FEDERATION』など数々の作品・キャラクターを展開するまでになりました。
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業界を驚かせた、フィギュア88体の一斉発表
“ワールドコレクタブル”の名前のとおり、幅広くメインキャラクターからサブキャラクターまでを幅広く展開することで、作品の世界観を一望する喜びを味わえるのが大きな魅力です。作品中に少ししか登場しないキャラクターまでフィギュア化したことが、特に当時のお客さまに支持されたのだと思います。
その一方で、「景品自体を目当てに訪れるお客さまは少ないため、アミューズメント景品をシリーズ展開しても売れない」「シリーズ化は第1〜3弾までに収めるのが定石」というのが業界の共通認識だったため、中途半端なシリーズ化ではいい反応はもらえないと考えました。
そこで私たちは、アミューズメント業界の展示会で“「ワーコレ」月8体×11ヶ月分=合計88体の商品化”を発表しました。11シリーズも先行で発表することで、覚悟と本気度を示すとともに、主要なキャラクター以外も展開する「ワーコレ」ならではのおもしろさやワクワク感を伝えました。
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コレクター心を刺激する仕掛け
「ワーコレ」の企画で意識しているのは、コレクター心をくすぐる仕掛けを作ることです。わかりやすい例としては、「全種集めることで、名シーンが再現できる」「パーツを合体させることで完全体になる」「この1シリーズを集めることで軍団が揃う」など、揃えたくなる仕掛けを潜ませて、お客さまに楽しんで集めていただけるよう心掛けています。
ただ、仕掛けが複雑すぎると収集難易度が高くなります。すでにクレーンゲームで獲得するという点で高いハードルが設けられているので、そのバランスを考えながら企画を立てています。
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“情報量をそぎ落とさない”新感覚のデフォルメフィギュア
一般的に「デフォルメ=情報量をそぎ落とすもの」というのが定説ですが、「ワーコレ」のデフォルメは頭身バランスが変わっても情報量が変わらないものを目指しました。
「ワーコレ」におけるデフォルメは、まず専属のイラストレーターさんにデフォルメデザインのキャラクターを描いていただくことから始まります。「ワーコレ」を作る上でいくつかの約束事があり、原型師さんと細かな調整を重ねてリアリティとデフォルメを両立させる造形に近づけていきます。
私たちはシンプルなデフォルメではなく、あえて面倒な手数、工程を増やすことで、「どんなフィギュアよりも作り込まれたフィギュアを世に出す」という意気込みで「ワーコレ」に向き合っています。
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優秀な原型師がいなければ、「ワーコレ」は成立しない
デフォルメフィギュアを作る上で欠かせないのが、原型師さんの存在。原型のバランスや特徴を捉えながらも、いかに情報量が多いフィギュアを作れるかは原型師さんの腕にかかっています。
先ほどお話した、88体のフィギュアの商品進行の初期では、とにかく優秀な原型師さんを集めることに奔走していました。「ワーコレ」への気概と夢を語り、20〜30人の原型師さんに集まっていただきました。ただ、理想を形にするために無茶な要望も数多く出したので、相当な苦労をお掛けしたかもしれません。それでも、15年経った今でもご一緒してくださっている原型師さんも多く、皆さんには心から感謝しています。
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業界の固定観念を覆し、さらなる高みへ
約15年前と比べると、アミューズメント業界の風向きは完全に変わりました。今は景品目当てのお客さまでクレーンゲーム機の前に行列ができることもあります。固定観念は覆せるのだと学びました。
今後の目標は、尾田栄一郎先生の原作、東映アニメ―ションさんの『ONE PIECE』アニメのクオリティに負けないフィギュアとしてパワーアップしながら継続していくこと。最近は後輩たちが『ONE PIECE』以外のシリーズも数々手がけているので、これまでにない発想でさらに世界観を広げてくれたらと思いますし、皆が楽しく集められるシリーズになってくれたらと思います。
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WHAT'S YOUR “SPIRITS” 仕事における「魂」
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私達の仕事は【衣食住】ではないため、生活をする上で必要不可欠なものではありません。だからこそより真摯にものづくりに向き合うべきだと思っています。お客さまにとって捨てたくない、ずっと飾っていたくなる、綺麗にしまっておきたい商品を作ることで、思い出と共に生活に寄り添えるものを作る、そんなことを大切にしながら仕事をしています。
プライズ事業部 阪田 典彦
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手に入れたお客さまが「こんなにいいものなんだ」と、つい周囲に自慢したくなるような商品を作り出していきたいです。それこそ、10年以上経っても「あのときに一生懸命獲ったな」という思い出と共に大切にされ、記憶に残るようなモノづくりができたら幸せです。
プライズ事業部 佐瀬 真理
所属部署・内容は取材当時(2024年11月)のものです。
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
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